オルタナティブ投資

キャッシュフローの定義

キャッシュフローの定義
キャッシュ・フロー

キャッシュフローの定義

キャッシュフロー計算書は何を示してくれるのか

キャッシュフロー計算書の目的と役割

  • 現金
  • 当座預金、普通預金、通知預金など短期間で引き出せる預金
  • 現金同等物(簡単に換金できて、価値変動が少ないもの)
  • 3カ月以内に現金に換金できるもの(預金、手形、公社債、投資信託など)
  • 単に資金繰りの把握だけでなく、キャッシュを基準にして事業を把握し、施策策定や経営判断を行う。 たとえば、キャッシュフローの観点から在庫の実態や費用を把握することで、「キャッシュを生む製品は何か」を明らかにし対策したり、「いくら投資 して、いくら儲かったか、いつキャッシュを生むか」を評価して投資判断を行う。
  • その結果として、金融機関や投資家にとって魅力的な融資先・投資先となり、資金調達力の強化を計る。
  • 損益計算書で扱う利益や損失は、個別の会計ルールや会計処理方法によって数値が変化します。これは、現物とは関係なく、帳簿にどのように記載するかという解釈が一つだけではないからです。答えが人によって違うので比較しづらいものとなっています。
  • たとえば、商品の売れ行き悪化や必要以上の仕入れ等により過剰在庫となった場合、資金が在庫として滞留するため、通常はキャッシュフロー計算書の営業活動によるキャッシュフローがマイナスとなります。しかし、損益計算書では売れ残った在庫は資産となるため、過剰在庫は損益計算上全く考慮されません。その弊害が黒字倒産に繋がったりします。つまり、キャッシュフロー計算書の営業活動によるキャッシュフローのマイナス状態がその会社の実態であって、損益計算書上の黒字は実態とは異なるのです。

損益計算書と貸借対照表との関係

tsukurikata1

  • 期首のキャッシュは貸借対照表からキャッシュフロー計算書に引き継がれる (①)
  • 期中の損益計算書の収益はキャッシュのみが(35)、キャッシュフロー計算書で計上される (②)
  • 収益のうち、キャッシュ以外(40-35=5)は売掛金として今期末の貸借対照表に計上される (②)
  • 期中のキャッシュ増分は、キャッシュフロー計算書の期首残高と合算されて今期末の貸借対照表に引き継がれる (③)
  • 損益計算書の当期純利益は、利益余剰金として、今期末の貸借対照表に計上される (④)

tsukurikata2

キャッシュフロー計算書には何が書いてあるのか

  1. 営業活動によるキャッシュフロー
  2. 投資活動によるキャッシュフロー
  3. 財務活動によるキャッシュフロー
  • 営業活動によるキャッシュフロー ・・・「儲けたお金」を明らかにしたもの
  • 投資活動によるキャッシュフロー ・・・「使ったお金」を明らかにしたもの
  • 財務活動によるキャッシュフロー ・・・「借りたお金、返したお金」を明らかにしたもの

資金調達(借入)や借入金返済などによるキャッシュの増減を表します。 営業活動と投資活動によって生じたお金の過不足の調整を行うものです。 キャッシュフローの定義 借入と返済、増資・社債などの資金調達、配当金の支払などによるキャッシュの流れ、増減

tsukurikata3

どんな人がキャッシュフロー計算書をつくる必要があるか

  • 常にキャッシュが不足ぎみ、支払いが多い
  • 売り上げても入金がすぐに入ってこない、それに対して仕入は早期に支払う必要がある
  • 多くの事業があり、全体の資金の流れが掴みづらい
  • 金融機関との融資取り引きが多い、取引額が大きい
  • 金融機関からの融資を計画している、投資家からの出資を計画している
  • 株式公開(上場)を計画している
  • 財務体質を改善したい

キャッシュフロー計算書を作ってみる

何を準備すればよいか

最低限必要なもの

  • 前期の貸借対照表
  • 当期の貸借対照表
  • 当期の損益計算書

取引があれば必要なもの

  • 固定資産の取得や譲渡に関する資料
  • 有価証券の取得や譲渡に関する資料
  • 新株の発行に関する資料

作り方の手順

税引前当期純利益 ± 実際のお金の増減がない項目(減価償却費、引当金など帳簿上だけで計算されるもの)± 発生時点で計上されているが、まだお金が動いていない項目(売掛金、買掛金、棚卸資産など)

  1. 損益計算書に記載されている「税引前当期純利益」を転記する
  2. 営業活動によるキャッシュフローを調整する項目を加減する
  3. 営業活動によるキャッシュフローを調整する項目を加減する
  4. 営業活動によるキャッシュフローを調整する項目を加減する

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キャッシュフロー計算書を作る上での4つの注意点

これまで見てきたように、算出式は、「税引前当期純利益 ± 調整項目」というとてもシンプルなものです。 ただ、キャッシュフローは営業、投資、財務という3つに分類されていますので、どこで調整を行うかという点で特に注意したい取り引きを4つに絞って紹介します。

処理方法: お金を借りて資産を購入したのと同じとみなして、資産と債務に分類して扱います。 所有権が移転しない賃貸借の場合には、オペレーティングリースと同様に支払いリース料を「営業活動によるキャッシュフロー」として処理します。 所有権が移転する場合は、実質的に固定資産を割賦購入しているとみなし、支払いリース料を「財務活動によるキャッシュフロー」として処理します。

キャッシュフロー計算書を活用する

キャッシュフローの状態を分類する

営業活動によるキャッシュフロー

  • プラスになっていることが大前提、額が大きいほど良い
  • 同業界、リーディング企業と比較してどうかをみる
  • 事業立ち上げ時期は一時的にマイナスになることもあるが、その場合はプラスに転じるまでの事業計画を評価する

投資活動によるキャッシュフロー

  • 営業活動によるキャッシュフローを超えていないか、超えている場合は投資対効果の計画を評価する
  • 将来の投資は必要なのでマイナスである方が健全といえる

財務活動によるキャッシュフロー

  • プラスの場合は資金不足ということ、必要に応じて調達計画を見直す
  • マイナスの場合は借金を返済しているので好ましい状態

フリーキャッシュフロー

  • プラスになっていることが大前提、額が大きいほど良い、金融機関や投資家も重視する
  • 使い道はどうか、「事業への投資」、「株主への配当金支払」、「借入金の返済」など、何に使ったかによって経営の方向性が見える

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キャッシュフロー計算書の見るべきポイント

  • 営業キャッシュフローとフリーキャッシュフローの総額が多いこと(もちろんプラスになっていること)
  • 投資活動キャッシュフローがマイナスであること
  • 前期(過去数年)および同業他社に比べて、営業キャッシュフローと フリーキャッシュフローが増えている(多い)こと

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A.営業活動によるキャッシュフロー
B.投資活動によるキャッシュフロー
C.財務活動によるキャッシュフロー

⑥売上債権の額は大きくないか せっかく売る上げたのにキャッシュを獲得できていない状態 売掛金の管理・回収がうまくいっていないのでは?

⑦棚卸資産の額は大きくないか 在庫が増えてキャッシュに換えられていない状態 売れないものをつくって(仕入れて)いないか?、仕入・製造・在庫は適正か?

⑬有形固定資産の取得額は妥当か、少なくないか これがマイナスでないと、現在および将来の成長のために必要な投資をしていないということ 売却による収入が増えていたら、単に資金調達のために必要な資産を売却していないかを見る

キャッシュフローを把握して経営の健全性を高める取り組み

この章は、企業経営者や事業責任者など主に経営改善を担う方々向けの内容です。 キャッシュフロー経営では、帳簿上ではなく現実に動いたキャッシュの増減に注目して経営を強化していきます。 目指す方向は以下の4つです。

アマゾンのイノベーション経営戦略とは?【最新事例解説】キャッシュフローを新規事業に再投資するビジネスモデルの今後

一般的な店舗販売とアマゾンマーケットプレイスにおける商品・資金の流れの違い

図に示すように、一般的な店舗販売などのビジネスでは、商品が売れるまでは営業CFがマイナスの状態が続きます。
一方、アマゾンマーケットプレイスでは、商品を所持する出品者がアマゾンに出品料を払い、出品された商品をユーザーが購入する際は、まずアマゾンに料金が支払われます。
その後、商品が出荷され、出品者に手数料を差し引いた額が送金されるまでの間、アマゾンは手元に潤沢な資金を置くことができ、高い営業CFを維持します。

圧倒的なスピードで生み出されるアマゾンのイノベーションの事例

開始
(年)

サービス・活動名

内容・関連情報

クラウドコンピューターサービス。β版は2002年に製作されたが、 2006年のニュースリリース で公式リリースを発表。
その後、機能拡張を続け、2021年には本記事で紹介するHealthLakeやFinSpaceなどを発表。
IoT等のデータ可視化に使われるAmazon Managed Grafana, カメラ制御のPanorama Applianceはアマゾン2021年Q3の分析レポートで紹介してるので、ご参照下さい。

音声認識人工知能。2013年にアマゾンが買収したIVONA社の音声技術をベースに開発された。 超音波モーションセンサーの機能追加については FY2021Q4の分析レポート で紹介。

スマートドアベルメーカーのRingを2018年に買収( Riingのプレスリリース 参照) 2022年1月のRing Blog で紹介されたRing Alarm Glass Break Sensorは、泥棒等によるガラスの破壊音を検知する機能をもつ(アマゾンFY2021Q4の分析レポートで紹介)

遠隔と対面を組み合わせた医療サービス。
関連サービスとして、医療向け音声認識サービス Amazon Transcribe Medical も2019年にリリース。
初期は社内向けサービスとして開始し、 2021年のプレスリリース で全米展開を発表

アマゾンストアで薬を購入できるサービス。
薬のデリバリーサービスPillPackを2018年に買収し、 2020年のプレスリリース でAmazon Primeメンバー向けのサービス開始を発表。

Amazon Smbhav Venture Fund

高齢の家族の世話に役立つ介護サービス。
Alexa CareHubのブランドを2021年にAlexa Togetherに変更

表. アマゾンのイノベーション・投資活動の一覧
(近年の新規事業と、過去に立ち上がった事業で特に重要と思われるものを抜粋)

アマゾンの未来の強みとなるイノベーションの事例 ~ヘルスケア・AWSの開発戦略

アマゾン・ケアを軸としたヘルスケア事業の拡大とユーザーの囲い込み戦略

Amazon AWSの医療・金融分野における機能拡張 ~HealthLakeとFinSpace

AWS関連のアップデートは次々に発表されていますが、2021年に発表された例として、Amazon HealthLakeやAmazon FinSpaceがあります。

HealthLakeは、医療機関向けのデータ管理システムで、米国のHIPAA法(Health Insurance Portability and Accountability Act of 1996 ; 医療保険の携行性と責任に関する法律)など法規制に準拠した形で、安全に医療データを管理できます。例えば、 2021年7月のAWS News Blog によると、Rush大学メディカルセンターはHealthLakeを活用し、複数の病院におけるCOVID-19患者の入退院等のデータを統合して解析しているようです。

イノベーションを生み続けるアマゾン経営戦略の今後 ~4半期レポートの継続ウォッチ

★アマゾン4半期レポート分析の更新情報

★本記事と関連した弊社サービス

①無料メールマガジン「e発明塾通信」
材料、医療、エネルギー、保険など幅広い業界の企業が取り組む、スジの良い新規事業をわかりやすく解説しています。アマゾンの新規事業についても過去に取り上げており、今後もアップデートしていく予定です。
「各企業がどんな未来に向かって進んでいるか」を具体例で理解できるので、新規事業のアイデアを出したい技術者の方だけでなく、優れた企業を見極めたい投資家の方にもご利用いただいております。
週2回配信で最新情報をお届けしています。各社の4半期レポートの更新情報もお伝えしますので、ぜひご活用ください。

★書籍出版のお知らせ

畑田 康司

TechnoProducer株式会社シニアリサーチャー
発明塾東京一期生。現在は企業内発明塾™における発明創出支援、教材作成に従事。
個人でも発明を創出し、権利化を行う。

【会計基準】連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準

キャッシュフロー(直接法)

キャッシュ・フロー

第一 作成目的

第二 キャッシュフローの定義 作成基準

一 資金の範囲

二 表示区分

(注3)「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分について キャッシュフローの定義
「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分には、例えば、次のようなものが記載される。
(1)商品及び役務の販売による収入
(2)商品及び役務の購入による支出
(3)従業員及び役員に対する報酬の支出
(4)災害による保険金収入
(5)損害賠償金の支払

(注4)「投資活動によるキャッシュ・フロー」の区分について
「投資活動によるキャッシュ・フロー」の区分には、例えば、次のようなものが記載される。
(1)有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出
(2)有形固定資産及び無形固定資産の売却による収入
(3)有価証券(現金同等物を除く。)及び投資有価証券の取得による支出
(4)有価証券(現金同等物を除く。)及び投資有価証券の売却による収入
(5)貸付けによる支出
(6)貸付金の回収による収入

(注5)「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分について
「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分には、例えば、次のようなものが記載される。
(1)株式の発行による収入
(2)自己株式の取得による支出
(3)配当金の支払
(4)社債の発行及び借入れによる収入
(5)社債の償還及び借入金の返済による支出

2.法人税等(住民税及び利益に関連する金額を課税標準とする事業税を含む。)に係るキャッシュ・フローは、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載する。
3.利益及び配当金に係るキャッシュ・フローは、次のいずれかの方法により記載する。
①受取利息、受取配当金及び支払利息は「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載し、支払配当金は「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載する方法(注6)

②受取利息及び受取配当金は「投資活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載し、支払利息、支払配当金は「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載する方法
4.連結範囲の変動を伴う子会社株式の取得又は売却に係るキャッシュ・フローは、「投資活動によるキャッシュ・フロー」の区分に独立の項目として記載する。この場合、新たに連結子会社となった会社の現金及び現金同等物の額は株式の取得による支出額から控除し、連結子会社でなくなった会社の現金及び現金同等物の額は株式の売却による収入額から控除して記載するものとする。
営業の譲受け又は譲渡に係るキャッシュ・フローについても、「投資活動によるキャッシュ・フロー」の区分に、同様に計算した額をもって、独立の項目として記載するものとする。

三 連結会社相互間のキャッシュ・フロー

四 在外子会社のキャッシュ・フロー

第三 表示方法(注7)

(注7)連結キャッシュ・フロー計算書の様式について
利息及び配当金を第二の二の3①の方法によりする場合の連結キャッシュ・フロー計算書の標準的な様式は、次のとおりとする。
様式1 (「営業活動によるキャッシュ・フロー」を直接法により表示する場合)

様式2 (「営業活動によるキャッシュ・フロー」を間接法により表示する場合)

一「営業活動によるキャッシュ・フロー」の表示方法


「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、次のいずれかの方法により表示しなければならない。
1.主要な取引ごとにキャッシュ・フローを総額表示する方法(以下、「直接法」という。)
2.税金等調整前当期純利益に非資金損益項目、営業活動に係る資産及び負債の増減、「投資活動によるキャッシュ・フロー」及び「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に含まれる損益項目を加減して表示する方法(以下、「間接法」という。)

キャッシュフローの定義

mikata1

  • 期首のキャッシュは貸借対照表からキャッシュフロー計算書に引き継がれる (①)
  • 期中の損益計算書の収益はキャッシュのみが(35)、キャッシュフロー計算書で計上される (②)
  • 収益のうち、キャッシュ以外(40-35=5)は売掛金として今期末の貸借対照表に計上される (②)
  • 期中のキャッシュ増分は、キャッシュフロー計算書の期首残高と合算されて今期末の貸借対照表に引き継がれる (③)
  • 損益計算書の当期純利益は、利益余剰金として、今期末の貸借対照表に計上される (④)

mikata2

キャッシュフロー計算書には何が書いてあるのか

  • 営業活動によるキャッシュフロー
  • 投資活動によるキャッシュフロー
  • 財務活動によるキャッシュフロー

■投資活動によるキャッシュフロー ・・・「使ったお金」を明らかにしたもの
設備投資(工場建設・機械購入など)や資金の運用(企業買収・有価証券購入など)によるキャッシュの増減を表します。
既存事業や新規事業のための設備投資、債権購入などのキャッシュの流れ、増減

■財務活動によるキャッシュフロー ・・・「借りたお金、返したお金」を明らかにしたもの
資金調達(借入)や借入金返済などによるキャッシュの増減を表します。
営業活動と投資活動によって生じたお金の過不足の調整を行うものです。
借入と返済、増資・社債などの資金調達、配当金の支払などによるキャッシュの流れ、増減

キャッシュフローの定義

キャッシュフロー計算書は何を示してくれるのか

キャッシュフロー計算書の目的と役割

  • 現金
  • 当座預金、普通預金、通知預金など短期間で引き出せる預金
  • キャッシュフローの定義
  • 現金同等物(簡単に換金できて、価値変動が少ないもの)
  • 3カ月以内に現金に換金できるもの(預金、手形、公社債、投資信託など)
  • 単に資金繰りの把握だけでなく、キャッシュを基準にして事業を把握し、施策策定や経営判断を行う。 たとえば、キャッシュフローの観点から在庫の実態や費用を把握することで、「キャッシュを生む製品は何か」を明らかにし対策したり、「いくら投資 して、いくら儲かったか、いつキャッシュを生むか」を評価して投資判断を行う。
  • その結果として、金融機関や投資家にとって魅力的な融資先・投資先となり、資金調達力の強化を計る。
  • 損益計算書で扱う利益や損失は、個別の会計ルールや会計処理方法によって数値が変化します。これは、現物とは関係なく、帳簿にどのように記載するかという解釈が一つだけではないからです。答えが人によって違うので比較しづらいものとなっています。
  • たとえば、商品の売れ行き悪化や必要以上の仕入れ等により過剰在庫となった場合、資金が在庫として滞留するため、通常はキャッシュフロー計算書の営業活動によるキャッシュフローがマイナスとなります。しかし、損益計算書では売れ残った在庫は資産となるため、過剰在庫は損益計算上全く考慮されません。その弊害が黒字倒産に繋がったりします。つまり、キャッシュフロー計算書の営業活動によるキャッシュフローのマイナス状態がその会社の実態であって、損益計算書上の黒字は実態とは異なるのです。

損益計算書と貸借対照表との関係

tsukurikata1

  • 期首のキャッシュは貸借対照表からキャッシュフロー計算書に引き継がれる (①)
  • 期中の損益計算書の収益はキャッシュのみが(35)、キャッシュフロー計算書で計上される (②)
  • キャッシュフローの定義
  • 収益のうち、キャッシュ以外(40-35=5)は売掛金として今期末の貸借対照表に計上される (②)
  • 期中のキャッシュ増分は、キャッシュフロー計算書の期首残高と合算されて今期末の貸借対照表に引き継がれる (③)
  • 損益計算書の当期純利益は、利益余剰金として、今期末の貸借対照表に計上される (④)

tsukurikata2

キャッシュフロー計算書には何が書いてあるのか

  1. 営業活動によるキャッシュフロー
  2. 投資活動によるキャッシュフロー
  3. 財務活動によるキャッシュフロー
  • 営業活動によるキャッシュフロー ・・・「儲けたお金」を明らかにしたもの
  • 投資活動によるキャッシュフロー ・・・「使ったお金」を明らかにしたもの
  • 財務活動によるキャッシュフロー ・・・「借りたお金、返したお金」を明らかにしたもの

資金調達(借入)や借入金返済などによるキャッシュの増減を表します。 営業活動と投資活動によって生じたお金の過不足の調整を行うものです。 借入と返済、増資・社債などの資金調達、配当金の支払などによるキャッシュの流れ、増減

tsukurikata3

どんな人がキャッシュフロー計算書をつくる必要があるか

  • 常にキャッシュが不足ぎみ、支払いが多い
  • 売り上げても入金がすぐに入ってこない、それに対して仕入は早期に支払う必要がある
  • 多くの事業があり、全体の資金の流れが掴みづらい
  • 金融機関との融資取り引きが多い、取引額が大きい
  • 金融機関からの融資を計画している、投資家からの出資を計画している
  • 株式公開(上場)を計画している
  • 財務体質を改善したい

キャッシュフロー計算書を作ってみる

何を準備すればよいか

最低限必要なもの

  • 前期の貸借対照表
  • 当期の貸借対照表
  • 当期の損益計算書

取引があれば必要なもの

  • 固定資産の取得や譲渡に関する資料
  • 有価証券の取得や譲渡に関する資料
  • 新株の発行に関する資料

作り方の手順

税引前当期純利益 ± 実際のお金の増減がない項目(減価償却費、引当金など帳簿上だけで計算されるもの)± 発生時点で計上されているが、まだお金が動いていない項目(売掛金、買掛金、棚卸資産など)

  1. 損益計算書に記載されている「税引前当期純利益」を転記する
  2. 営業活動によるキャッシュフローを調整する項目を加減する
  3. 営業活動によるキャッシュフローを調整する項目を加減する
  4. 営業活動によるキャッシュフローを調整する項目を加減する

tsukurikata4

キャッシュフロー計算書を作る上での4つの注意点

これまで見てきたように、算出式は、「税引前当期純利益 ± 調整項目」というとてもシンプルなものです。 ただ、キャッシュフローは営業、投資、財務という3つに分類されていますので、どこで調整を行うかという点で特に注意したい取り引きを4つに絞って紹介します。

処理方法: お金を借りて資産を購入したのと同じとみなして、資産と債務に分類して扱います。 所有権が移転しない賃貸借の場合には、オペレーティングリースと同様に支払いリース料を「営業活動によるキャッシュフロー」として処理します。 所有権が移転する場合は、実質的に固定資産を割賦購入しているとみなし、支払いリース料を「財務活動によるキャッシュフロー」として処理します。

キャッシュフロー計算書を活用する

キャッシュフローの状態を分類する

営業活動によるキャッシュフロー

  • プラスになっていることが大前提、額が大きいほど良い
  • 同業界、リーディング企業と比較してどうかをみる
  • 事業立ち上げ時期は一時的にマイナスになることもあるが、その場合はプラスに転じるまでの事業計画を評価する

投資活動によるキャッシュフロー

  • 営業活動によるキャッシュフローを超えていないか、超えている場合は投資対効果の計画を評価する
  • 将来の投資は必要なのでマイナスである方が健全といえる

財務活動によるキャッシュフロー

  • プラスの場合は資金不足ということ、必要に応じて調達計画を見直す
  • マイナスの場合は借金を返済しているので好ましい状態

フリーキャッシュフロー

  • プラスになっていることが大前提、額が大きいほど良い、金融機関や投資家も重視する
  • 使い道はどうか、「事業への投資」、「株主への配当金支払」、「借入金の返済」など、何に使ったかによって経営の方向性が見える

tsukurikata5

tsukurikata6

キャッシュフロー計算書の見るべきポイント

  • 営業キャッシュフローとフリーキャッシュフローの総額が多いこと(もちろんプラスになっていること)
  • 投資活動キャッシュフローがマイナスであること
  • 前期(過去数年)および同業他社に比べて、営業キャッシュフローと フリーキャッシュフローが増えている(多い)こと

tsukurikata7

tsukurikata8

A.営業活動によるキャッシュフロー
B.投資活動によるキャッシュフロー
C.財務活動によるキャッシュフロー

⑥売上債権の額は大きくないか せっかく売る上げたのにキャッシュを獲得できていない状態 売掛金の管理・回収がうまくいっていないのでは?

⑦棚卸資産の額は大きくないか 在庫が増えてキャッシュに換えられていない状態 売れないものをつくって(仕入れて)いないか?、仕入・製造・在庫は適正か?

⑬有形固定資産の取得額は妥当か、少なくないか これがマイナスでないと、現在および将来の成長のために必要な投資をしていないということ 売却による収入が増えていたら、単に資金調達のために必要な資産を売却していないかを見る

キャッシュフローを把握して経営の健全性を高める取り組み

この章は、企業経営者や事業責任者など主に経営改善を担う方々向けの内容です。 キャッシュフロー経営では、帳簿上ではなく現実に動いたキャッシュの増減に注目して経営を強化していきます。 目指す方向は以下の4つです。

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